理工学部技術部長 越智 義道
理工学部技術部は、工学部技術部として平成19年4月1日に発足して以来、平成29年4月の理工学部改組を期に、理工学部技術部となりました。発足以来、10年以上が経過し、これまで、工学部および理工学部での長期業務および短期業務等の技術的業務を支えてまいりました。
平成29年4月の理工学部改組では、これまでの5学科8コースから2学科8コースとなりました。創生工学科では、機械コース、電気電子コース、福祉メカトロニクスコースおよび建築学コースの4コースを設け、共創理工学科には、数理科学コース、知能情報システムコース、自然科学コースおよび応用化学コースの4コースを設けております。特に、共創理工学科には、これまでの工学部になかった理学系の数理科学コースと自然科学コースが新設されています。この改組により、地域のニーズに則したイノベーション分野で活躍し、複合的な視点に立って課題解決に取り組むことのできる人材を養成する教育体系を実現し、技術部も教育・研究の両面から、理工学部を支えております。
技術部は、理工学部改組の完成年度となる本年令和2年度から、新学部運用上の業務の見直しと今後の全学的支援の方向性をふまえて、新たな組織体制のもとで運営を行っています。新たな体制では支援業務内容の観点から4つの技術室を置き、それぞれ技術室の中に支援の専門性にもとづいて2班、計8班を配置して活動しています。特に、今回の技術部改組では学内の、情報基盤センター、全学研究推進機構機器分析部門等の全学的な業務や理工学部全般にわたる技術支援のために技術室の1つを「共通技術室」と位置付けることとしました。これらの組織体制の下で、長期業務では、専門性を生かした研究支援業務により共同研究等の研究支援を行うとともに、実験、実習等の学生の教育に関わる支援あるいは大学運営に係る支援業務を行っています。短期業務では、理工学部のニーズに応じた分野を横断した技術支援業務を実施しています。
技術部の管理・運営を実施する単位は、地域貢献、科学実験、科学研究推進等8つのワーキンググループ(WG)と総務(業務依頼等)および安全衛生に関する2つの担当に分類されます。技術部の職員はこれらのWG等のいずれかに所属しており、理工学部のみならず、地域・社会への貢献も行っております。
地域・社会への貢献の一貫として、「おもしろ科学実験教室」において、未来の科学者や研究者を育成すべく大分県内の小学校に出向き、科学の楽しさにと大切さについて、実験を基にした教育を行っています。また、「大学開放イベント」では、技術部独自の企画を実施し、来場者に科学技術の面白さを体感してもらっています。「パソコンを組み立ててみよう」講習会では、パソコンに対する苦手意識を克服するために、パソコンの組み立てに関する教育も実施しています。技術の専門集団が教えるこれらの活動は、地域・社会でも高い評価を得ていて、一部は新聞でも取り上げられています。 また、技術部では、科学研究費補助金の獲得にも力を入れており、技術部の技術力向上をめざした独自の研究も推進しています。
大学に限らず一般社会でも同様ですが、技術部でも、団塊の世代の退職や定員の削減により、技術の継承を含め、厳しい状況におかれているのは事実です。しかしながら、大学における教育・研究の質を高く保つために、技術部の力は不可欠です。大学の根幹となる技術力を支える技術部は、時代の変革にも迅速に対応し、新たな大学の未来を支え続けていきます。(令和2年6月)
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